クラッシュ 〜Crash~
アカデミー受賞式が近付いてきましたですね。
カウントダウンもOscar.comでは始まっており、
少しずつ気持ちが盛り上がって来ている今日この頃。
映画好きの友人とオスカー予想したりしておりますが、
この「クラッシュ」は注目作なので、どうしても観て
おきたかった1本です。
新宿武蔵野館にてレイトショーで鑑賞。

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ロサンゼルス、24時ーー。ハイウェイで起こった一件の自動車事故が
思いもよらない”衝突”の連鎖反応を生み出し、さまざまな人々の運命を狂わせていく・・・。
刑事たち、自動車強盗、地方検事とその妻、TVディレクター、鍵屋とその娘、病院の受付嬢、雑貨屋の主人ーーー。様々な階層の様々な人種の彼らは予想もしない角度で交差しながら、愛を交わし、憎しみをぶつけ合い哀しみの淵に立たされる。神の見えざる手によって人生を翻弄される人間たち。
ロサンゼルスの36時間の中で沸騰する、彼らの怒り、哀しみ、憎しみ、喜び・・・。(クラッシュ HPより抜粋)
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監督/原案:ポール・ハギス
脚本/製作:ポール・ハギス、ボビー・モレスコ
キャスト  サンドラ・ブロック
      ドン・チードル
      マット・ディロン
      ジェニファー・エスポジト
      ブレンダン・スレイザー
      クリス・”リュダクリス”・ブリッジス ほか

誰の心の中にもある思いが、この映画の中にはつまっている。
誰もがこの映画の登場人物になりうるはずだ。
差別されることに怯える一方で、別の誰かを差別し、偏見の目で見る。
恐れ、怯え、そして傲慢さはいとも容易に相手に伝わり、
それが発端となり怒りや憎しみを生み出す結果となる。
負の力で引き寄せたものは、負の力でしか返ってこない。
差別や偏見は怒りや憎しみとなっていつか自分にかえってくるということだ。

登場人物が多くて、すべての登場人物について説明はできない。
しかし、どの登場人物の話も嫌悪感と爽快感が同時に存在する。
善と悪が交差しているのだ。
ライアン巡査のように、誰かを侮辱した穢れた手が、
誰かの命を救うこともできる。
誰かの命を奪うために銃の引金を引く手が、
誰かをやさしく包むこともできる。
若手巡査(ライアン・フィリップ)が人種差別を嫌悪していながら、
見知らぬ黒人男性に向かって思わず引金を引いてしまったのは一体
なぜなのだろうか?「思わず」引いてしまったのだ。
彼の頭の中には黒人男性は銃を携帯しているはず、そしてすぐに撃って
くるに決まっているという予測のもとに行動した結果である。
はたしてそれは偏見によるものなのだろうか?

人は完璧な存在ではない。
迷いながら、間違いを犯しながら、そして様々なことを感じながら生きている
健気な存在なのだ。善にも悪にもなりうる愚かな人間を見守るかのような
俯瞰ショットが時折使われていたが、あれはやはり神の視線なのだろうか?
愚かな人間たちを上から眺めている、ということなのだろうか?

ところで、これがアカデミー賞の作品賞受賞なるかどうか?!

神のみぞ知る。

コメント

nophoto
あん
2006年2月18日10:49

見応えのある社会派の群像劇でした。ポール・ハギスさすがですよね。期待を裏切らなかったわ。人って、生きるって、素晴らしいと素直に思いました。Tb失礼します。

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