男と女の不都合な真実〜The Ugly Truth〜
ジェラルド・バトラーとキャサリン・ハイグルの男女間の恋愛感の
微妙なズレを描いたラブコメディー。
------------------------------------------------------------------------
テレビプロデューサーのアビーは、完璧な男を求めるあまり、
男運に突き放されていた。隣人で医者のコリンに恋した彼女は、
恋愛相談番組の名物パーソナリティ、マイクから恋のノウハウを
身につけ、見事、コリンとつきあうことになる。
------------------------------------------------------------------------

男の本音トーク満載。
マイクのアドバイスが当たり前だけど男目線で的確。(笑)
とにかく、視覚に訴えるのが一番効果的なのね。
ヘアスタイルはセミロングで〜
おっぱいが挨拶してるみたいなブラをつけろ!とか
でも、それだけじゃなく
自分から電話して誘っちゃダメ。
女が仕切り屋になったらダメ。
男は変化に弱い生き物だから、彼を変えようとしたらダメ。
結構、ふぅぅ〜んそうなんだって、思うことが多々ありました。

Ugly Truth(=見苦しい本音)
男って結局そういうとこか!
それだけ(外見)で付き合うわけじゃないけど
やっぱり外見は大事。
男は見た目がいい女だったら誰でもいいのか!
って思うけど、女だってハンサムがいいし
お腹の出てるひとよりスタイルのいい人のほうがいい。
外見が良い方がいい、そこは男も女も一緒よね。
それがホントのとこってことか?
でも、最後はそれだけじゃないけど
とっかかりはやっぱり見た目が大事ってことですね。

結構面白かったです。
テンポよく話が進むし、何も考えずにさらっと楽しめる映画でした。


ところで、ジェラルド・バトラーがこのマイク役っていうのが
あまり・・・合わないなぁと思ってしまいました。
私の勝手なイメージなんだけれど、こういう本音ズバズバ言う
タイプの役がイマイチ板についてない気がしちゃって
なんか無理してるっぽい感じがするんだよね。
似合わないことしちゃってるなぁって思うのは
私だけでしょうか?


トランスポーター3 〜Transporter3〜
トランスポーター3を観て来た。

このシリーズ何が楽しいってカーアクションです。
アクションシーンは前作同様の迫力で驚きの連続でした。
まぁ、ちょっとそこまでやんなくてもいいんじゃないの?って
笑っちゃうようなところもありましたけどねぇ。
でも、今回は自転車アクションもありました!
あれは予想外で面白かったわ。

それと、ジェイソン・ステイサムのあのカラダ!!
これも見どころのひとつかと。(笑)
映画の冒頭から上半身裸のシーンがありましたが
腹筋パッキパキに割れてるし、肩の筋肉もモリモリだし
思わず目がテンになっちゃった。
スーツ着てるとそんなに筋肉隆々な感じしないけど
脱いだら、まぁ〜キャ〜!って感じ。
シャツを脱いでというか、シャツを脱ぎながらの格闘シーン
があったり、その後も、ウクライナ人の女にせがまれて
ストリップしちゃうし、サービスショット満載でした♪←サービスか!

しかし、今回のフランクはいつものクールなだけの
フランクじゃなく、ラブシーンがあったのに驚き。

あれ、いらないよなー。
フランクにLOVEはいらないよなー。

しかも、あの相手役の女性が・・・ちょっとなぁ。
リュック・ベッソンがナンパ 発掘してきた
素人さんらしいですが、私はちょっと好みじゃなかったな。
もう少し品のあるきれいなヒトとやって欲しかった。
そこがちと残念でした。

それにしても3でシリーズ終了みたいでちょっと淋しい。
ジェイソンの当たり役だったからなぁ。

そして、信じられないことに来月末
もうひとつの続編 『アドレナリン2』が公開。
その話はまた別の機会に。

少年メリケンサック
<ストーリー>
レコード会社に勤めるかんなは、ネットで少年メリケンサックというパンクバンドのライブ映像を発見。すぐに契約に向かう彼女だったが、現れたのは汚いオヤジたち。なんと、その動画は25年も昔のものだった。

<スタッフ&キャスト>
[監][原][脚]宮藤官九郎 
[出]宮崎あおい  佐藤浩市  木村祐一  田口トモロヲ  三宅弘城  ユースケ・サンタマリア  勝地涼  ピエール瀧 

超張り切って公開初日1回目上映を鑑賞。
クドカン監督、原案、脚本!
ってことで期待が大き過ぎたかも?!
ってちょっと思う。いや、面白かったよ、もちろん。
宮崎あおいと勝地涼のふたりのシーンは
さくらの唄も含めて面白かったし。
(桜新町ぃ♪)
笑えるシーンも満載でありました。
だけど、なんだろうなぁ?
ちょっとものたりないと思ってしまうのは。




ベンジャミン・バトンー数奇な人生ー 〜The Curious Case of Benjamin Button
<ストーリー>
1918年、生まれつき年老いていた赤ん坊が黒人女性に拾われ、ベンジャミンと名付けられる。老人たちの養護施設で育てられた彼は、年を重ねるごとに若返り、デイジーという美少女と運命的にめぐり合う。

<スタッフ&キャスト>
[監]デビッド・フィンチャー 
[原]F・スコット・フィッツジェラルド 
[案][脚]エリック・ロス 
[出]ブラッド・ピット  ケイト・ブランシェット  タラジ・P・ヘンソン ティルダ・スウィントン 
[上映時間] 167分

---------------------------------------------------------------------------
この作品、フィッツジェラルドの原作だが私は読んでいないので
詳しい内容はわからないのだが、映画の内容とはだいぶ違うらしい。
”80歳代で産まれた男性が年々若返ってゆく”というエッセンスだけ
抽出してあとは大きく味付けを変えたようだ。

この映画、ファンタジー映画と言って良いと思う。
デヴィッド・フィンチャーもこういう作品作るんだなぁと
ちょっと驚いてしまった。
しかし、私はこのベンジャミン・バトンのファンタジーの世界に
どっぷりと入り込んでしまい、あっという間の167分だった。
時間の経過とともに年を重ねることは、なんて幸せなことなんだろう
と初めて思えた。
あまりに美しく、哀しい物語に泣けたな〜。
詳しく書くとネタバレしちゃうのでこのあたりでやめときます。
年をとると頭には白髪が混じり、肌はたるみ、シワが刻まれ
お腹も出てくる・・・。あぁ、年はとりたくない!と誰もが嘆き悲しむ
けれど、逆は怖いよ。若返るなんて。
この作品を観たら考えが変わるかも?


でもね、ブラッド・ピットの若い頃のシーンは本当にカッコ良かった♪
もう、見とれてしまったわ。
最後の方ではたぶん、10代?くらいを演じてるんだけれど
ホントに子供っぽい感じで、メチャメチャ若く見えたなぁ。
そして、ケイト・ブランシェットは本当に美しい。
あの人の美しさには、品がありますねぇ。
大好きな女優さんです。
バレエを踊るシーンがあるんだけれど、
手足が長くてすっごくきれいなの。
本人が本当に踊っているらしいが、すごくきれいでビックリした。

最後に・・・この作品突っ込むところがなくもないので
ファンタジーだからってことを念頭に置いて観れない人
にとってはつまんないと思います。
誰も守ってくれない
<スタッフ&キャスト>
[監] [脚]君塚良一 
[脚]鈴木智 
[音]村松崇継 
[歌]リベラ 
[出]佐藤浩市  志田未来  松田龍平  石田ゆり子  柳葉敏郎  木村佳乃  佐々木蔵之介  佐野史郎  津田寛治 

<ストーリー>
小学生姉妹殺害事件の容疑者として未成年の少年が逮捕され、その家族である船村一家の保護を命じられた勝浦刑事。容疑者の妹・沙織を担当する彼だが、マスコミや“ネットの住民”からの執拗な追跡を受けることに。
(Movie Walkerより抜粋)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

殺人事件などが起こった場合、被害者とその家族に対しては
同情的な気持ちを寄せることは容易に出来る。
被害者が子供だった場合は特に、親御さんの気持ちを思うと
胸が締め付けられるような思いになるものだ。
しかし、もし自分の家族が容疑者になってしまったら・・・。
こういう過酷な現実が待ち受けているのだ。
観ていて、ホントに
「背筋が凍るね」という気持ちに何度もなった。

冒頭、全くセリフがなくリベラの歌うきれいな唄が流れる中
余計な描写は一切なく、必要にして最低限の状況説明で
最初っからズドン!とストレートに入ってきたので、すぐに
映画の中の世界に引きずり込まれました。

容疑者は自分の犯した罪を一生かけて償うしかない。
自分がやってしまったことだから。
でも、その家族は・・・どうしたらいいんだろうか。
家族も容疑者同様、ずっと重い十字架を背負って
マスコミを避け、世間を避けて名前を変えて
生きていかなければならない。
しかし、それを15の少女に背負わせるのは残酷過ぎる。
ネット社会の怖さとマスコミの残酷さをこれでもか!
というくらいに映画では見せつけられる。
少し誇張した表現があったのは否めないが、それでも
現実とそれほど相違ないのでは?と思う。
今はインターネットによって情報が伝わるのはあっという間だ。
それだけでなく、ネット上では”匿名”なのを良いことに
無法地帯と化している。
被害者は殺された。だから犯人の家族は死んで償え?
何か違うと違和感を憶える。

しかし、容疑者の家族はそんなに可哀想か?
じゃあ、殺された被害者は?その家族は?
罪を犯しても、何年かすれば犯人は自分の家族のもとに戻って来れる。

「だけど、殺された私の息子は戻って来ない!」

ずっと容疑者の家族である沙織の立場で観ていた私は
今度は真逆である被害者の家族の立場のほうへ
別の事件の被害者の父親(柳葉敏郎)の上のセリフでひっぱっていかれた。
柳葉敏郎が演じた役のセリフには他にも心にグッとくる
セリフがたくさんあって、被害者の家族の心の傷は
時間がたっても癒されないものなのだと改めて感じた。

本当にいろいろ考えさせられる映画でした。
決して笑える面白い映画ではないけれど、観て損はないと思う。
君塚良一の脚本は素晴らしかった。

佐藤浩市の役は脚本の君塚良一が最初から佐藤浩市を
イメージして”あて書き”していたそうだ。
確か、「マジックアワー」でも佐藤浩市は三谷幸喜が
佐藤浩市をあて書きして脚本を書いていた、と言っていたし
脚本家から選ばれる(好かれる)役者なのですね。
そのせいなのかどうなのか、本当に佐藤浩市以外に誰が
あの役出来るだろう?と思うくらいにハマっていた。
それと、容疑者の妹役の志田未来ちゃんには驚きました。
彼女の役も彼女以外に誰が出来るだろう?
というくらいのハマりっぷり。15やそこらであんな演技できる
なんて、将来はどうなっちゃうんだろう??
あの眼力に私もやられました。
公開初日。地元のシネコンのレイトショーを観に行きました。
土曜日のせいか観客はまずまずの入り。

まず、映画が始まる前にチェ・ゲバラとはどういう人か?
という短い説明が入りました。
もともと本編にあったものではなさそうで、日本の配給元が
製作したような感じなんですが・・・。
ゲバラを全く知らないひとがこの映画を観るのだとしたら
必要最低限な情報だと思います。
何故ならこの映画、ゲバラのことをある程度知っている人に
向けて作られてるからです。
ただの「偉人伝」という趣きの映画ではないです。
だから、
本編ではゲバラの生い立ちなどには一切触れていません。
なので、ゲバラのことを全然知らないひとが
この映画を観ようと思っているとしたら、まずこの映画を観る前に

「モーターサイクルダイアリーズ」
を観ることをおすすめします。

この映画でゲバラがキューバ革命に加わることを決意した
明確な理由が分かるし、中南米の国が置かれている立場も
よく理解できます。
そういう背景を知ったうえで「チェ 28歳の革命」を観たら
より理解が深まるのではないかな?という気がします。

そういう前置きがあって、この「チェ 28歳の革命」ですが

長いっす!

134分です。
メキシコでフィデルと出会って、同志と船でキューバへ向かうところから
始まり、キューバ革命の様子と革命後にゲバラが国連で演説を行う様子が
交互に映し出されます。革命前はカラー、革命後をモノクロと分けています。
映画全編に渡って、キューバ革命を成し遂げるまでの詳細な描写なのですが、殆どの時間が当たり前ですが戦闘シーンで、彼らがやっていたことを
こと細かに描写してるなと思いました。
ゲバラの著作「ゲリラ戦争」が映画のベースになっているんだったかな??
だから、なのかもしれないんですが、延々と戦闘シーンでちょっと飽きます。

続きは今月31日から公開の「チェ39歳別れの手紙」にて、なのですが
一応、ソダーバーグ監督は2本を合わせて1本の作品としている
ようなので、それを観てから全体的な感想を書くべきなのかも。

ワールドオブライズ〜Body of Lies〜
久しぶりに洋画を観ました。
先月観たのも邦画だったし、何か月ぶりだろう?
映画館ではもちろんのこと、レンタルでも観ていないし
ここ数年の映画鑑賞履歴を考えると今年は異常?かも。
こんなに洋画を観てないなんて・・・。
うーむ。
久しぶりに洋画を観たら英語がすっごく新鮮に感じました。

さてさて、「ワールドオブライズ」ですが・・・内容的には目新しい
ものは特になく、テロリストVSアメリカ(CIA)の戦いを描いたもの。
爆破シーンとか上空からの俯瞰映像とか派手な映像満載ですが
ストーリー的には今までいろんな映画で描かれていたものとかぶってるし
いまさら、この映画をレオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウで
作る意味あったんかな〜?ってちょっと思ったりする。
でも、リドリー・スコットは嫌いじゃないかな。


「クライマーズ・ハイ」
公開初日に地元のシネコンにて鑑賞。
21:00過ぎの回だったがほぼ満席状態。

物語の舞台は地方新聞社。
日航機の墜落事故が起こって新聞社の社内に共同通信からの
速報のような放送が入った瞬間の「おぉ〜っ」というどよめき。
驚きと興奮と・・・あとは何だろう?
とにかく何かのスイッチが一気にパチン!と入る瞬間のようで
あのどよめきこそが新聞社を象徴しているように思えた。
そのスイッチがonになった瞬間から怒濤の1週間が始まる。

悠木(堤真一)が「日航全権」となり、全部を取り仕切る
ことになるのだが、事故の混乱もさることながら編集部の
上の人間たちの下らない横槍が絶えず入り

「男の嫉妬ほど浅ましいものはないのよ」

というある記者のセリフもあったが

「男たちの嫉妬に振り回され続ける悠木の1週間」を観ているようだった。

ただ、悠木はいつでも辞める覚悟があったから、誰にでも
ひるむことなく自分の意見が言える男だったのかなと思う。
そうでなければ、あそこまで言えないだろうと思う。
「一体、何のために新聞作ってるんだ?」とか。
「会社が何で成り立ってると思ってんだ?」
広告をとばして記事を載せる悠木と苦労して広告をとってきた
営業とのやり取りがあり、営業、販売、編集、それぞれの立場の
人間がそれぞれの立場でものを言う。
それはあたり前のことなんだけれど、同じ会社で働くもの
同志であれば目指すところは同じはずなのに、それがいつの間にか
自分のテリトリーを守ることだけを優先するようになってしまう。
こういうことってどこの会社でも起こりうることだなぁと
思いながら観ていた。

原作小説は横山氏の実体験を基に描かれた、という
ふれこみですが、どこからどこまでがフィクションで
何がフィクションでないのかの区別がつかないが、
墜落した翌日に30度を超える暑さの中あの険しい山に
何時間もかけて登り、私達の想像を絶するであろう
壮絶な地獄のような現場を自分の眼で見て、やっと下山して書いた
記事が載らなかった。
それが、上司によって陥れられていた結果だったとしたら・・・。
悔しいを通り越して怒り狂ってしまう気持ち
わからないでもない。
佐山(堺雅人)が鬼の形相で悠木(堤真一)に食ってかかる
シーンは、ちょっとした迫力でした。あのやさ男風の堺雅人とは
思えないくらい。

「チェック、ダブルチェック」

何故か印象に残っているシーンのひとつ。
悠木が事故原因特定の裏が取れたら一面トップで入れようと
思っていた記事を、結局100%の確信がないという理由で
ボツにした。そしてその内容が後日他紙に抜かれてしまったこと。
そのことをグチグチと言われてたが、誤報を載せることの方が問題だ。
スクープを狙う気持ちの昂りに押されそうになりながらも
たぶん、おそらく、〜だと思います、という憶測だけで記事を
書くようなことは絶対にあってはならない。
裏がとれなければ載せられない。
あとで何を言われようが、あの時はそこまでしかできなかった
ということだし、それで良かったんだと思う。
新聞記者としての姿勢とプライドを感じる好きなシーン。

最後に。
事故機に乗り合わせていた乗客のひとりの方が機内で書いた遺書は
あの当時読んで強烈に印象に残っていたが、いま聞いても涙が出る。
迫りくる死への恐怖と対峙しながらも家族に対する愛情溢れる
言葉に胸が詰まる思いだ。あの遺書を知らないという人は一度読んで欲しい。
あらためて事故の犠牲になった方々のご冥福をお祈りします。
「アフタースクール」
内田けんじ監督のデビュー作品
「運命じゃないひと」が大好きだったので
次回作をずっと心待ちにしていました。

そして、満を持しての最新作「アフタースクール」公開。
出演が大泉洋、堺雅人、佐々木蔵之介、そして常磐貴子
とくれば期待しないわけにはいきません。
ひと足先に鑑賞したひとが面白かったと言っていたので
ますます期待して観に行きました。



ええええぇぇぇ〜〜〜〜〜?
こ、これマジですか?
期待し過ぎてたせいか、すごくがっかり。
なんか盛り上がりに欠ける。
途中で飽きてきちゃって、
これ一体いつ盛り上がるんだろう?
なんかつまんないな〜と思いながら観てて
どうやって結末に持っていくの?と
心配になってしまったよ。

「運命じゃないひと」を観てしまったための不幸なのか?
「アフタースクール」よりも「運命じゃないひと」
の方が数倍面白いです。(私比較)
それに、大泉洋やら、佐々木蔵之介やらを
キャスティングした意味があまりない気がする。
もったいない。
大泉洋を起用するならもっと効果的に使って
欲しかった。あまりにも中途半端な使い方で残念です。
あんなに面白い脚本を書ける人なんだから
実力はこんなもんじゃないと思ってます。

また、次回作に期待してます。
シッコ〜SICKO〜
マイケル・ムーアの映画は「ボウリングフォーコロンバイン」全て観ている。
っていっても、これが3本目だけど。(笑)
アポなし取材!がこの人の持ち味のように言われていて、確かに前作まではそういう作り方で「過激」な面を売りにしていたようなところがあったが、
今回の「シッコ」はアポなし取材はない。
しかし、マジメに考えさせられしかも笑えて、そして泣いてしまった。

日本の医療制度もいろいろ言われているけれど、
アメリカは大げさでなく、最低最悪!!だと思う。
お金がないひとは死が待っているだけ。
日本の医療制度を当たり前と思っている私たちの想像の範疇を
大きく超えたところにアメリカの医療制度はある。

まず、国民は民間の医療保険会社の保険に加入する。
ただし、加入できない人もいる。(既往症があれば拒否される)
運良く加入できたとして、病気になって治療を受けようとすると
保険会社が何だかんだと理由をつけて支払いを拒否する。
または、医師が治療しない。
そして、治療しない医師(=余計な支払いを避けた)にたいして
奨励金を払う保険会社・・・。有り得ない!
そういう病院や保険会社のせいで、家族を亡くしたひとたちの
エピソードは涙なくして観られません。

しかし、反対にすっごく良い制度がある国も紹介していて
私が一番いいと思ったのは・・・

フランス

病院に行っても支払いはいらない。
全部タダ。出産もタダ。
それどころか、ある一定の収入がない人に対しては
病院までの交通費を国が負担してくれる!!
病院以外の施設や制度も充実していて、保育所もほとんどタダ。
有給休暇も法律で取ることが義務付けられているし
とにかく、信じ難いくらいに素晴ら靴ぁ
うらやましいぞ!フランス!
フランスに住んでいるアメリカ人の集まりで、全員が声を揃えて
フランスって素晴らしい〜!と大絶賛してました。

そして、アメリカが忌み嫌う?お隣の国
「キューバ」の医療制度も紹介される。
ここは社会主義国であるから医療がタダなのは当然なのだが、
アメリカとのあまりの違いに愕然とする。
アメリカでは1つ14,000円もする薬がここでは5円!!
「鞄いっぱいに詰めて帰りたい」と涙ぐんだ女性が
忘れられない。

アメリカは、弱肉強食の国だ。
すべては「自己責任」の国なのだと、思う。
それは、前々からわかってはいたけれど、ビジネスの世界
だけならまだしも、医療の制度までも、こんなんでいいんだろうか?
よその国のことながら、とても心配になってしまう。

とにかく私は、心から日本に生まれて良かったと思った。
指2本切断しちゃって、2本くっつけると300万以上かかるから
払える方の指1本だけくっつけるしかなかった、なんてそんなの
絶対にヤダよ!!
日本もそんな風にならないように、私たちもシッカリと
目を見張っていないといけない。
ゾディアック〜ZODIAC〜
公開初日のレイトショーを鑑賞。
家の近くのシネコンで鑑賞したが、ほぼ満席状態。

***********************************
監督:デビッド・フィンチャー
原作:ロバート・グレイスミス
出演:ジェイク・ジレンホール、マーク・ラファロ、ロバート・ダウニー・Jr.
アンソニー・エドワーズ
製作国:アメリカ
上映時間:157分

*ストーリー*
自分が犯した殺人の詳細と暗号文を、新聞社に手紙で送りつける“ゾディアック”と名乗る犯人。彼を捕らえるべく、敏腕記者エイブリー、暗号解読に燃える漫画家グレイスミス、サンフランシスコ市警の2人の刑事が調査を進める。
***********************************

デビッド・フィンチャー監督の作品。
前作の「パニックルーム」から実に5年ぶりの作品ってうことで
ずっと前から公開を楽しみにしていました。
ましてや、ジェイク主演だし、実際にあった殺人事件を題材にした内容。
殺人事件を扱ったフィンチャー監督作品、となると
どうしても思い出してしまうのが「セブン」あんな感じなんだろうか?
と、いろいろ想像していたが・・・。

この映画は「ゾディアック」と名乗る殺人犯を捕らえようと
する刑事(マーク・ラファロ)暗号や手紙が送られて来た
新聞社の記者(ロバート・ダウニーJr.)そしてその新聞社に
勤めるしがない風刺漫画家(ジェイク・ジレンホール)が
この「ゾディアック」に惹き付けられ、嵌まってゆく様を
描いている。刑事の捜査にはもちろん犯人探しの過程も
描かれているけれど、これはどちらかというと、
「ゾディアック」に嵌まってしまったひとたちに焦点を
当てて作られている映画。
ちなみに原作は、この風刺漫画家であるロバート・グレイスミス。
このひとはまさに「ゾディアック」に取り憑かれて、仕事も家庭も
そっちのけで真犯人を追い、本まで書いてしまった。
それにしても・・・

な、長かった!

途中で猛烈な睡魔に襲われました。
(ちなみに隣の女性は短い時間でしたが、グーーっと.....)
それにしても157分間というのは長いな。
次々に事件が起きて、ストーリー展開が早ければそこまで
長く感じないと思うけれど、この映画はそういう内容ではないので......。
地味な映画です。非常に。
しかし、実際にあった事件ということもあるだろうけれど
時代背景を含め、細かいところまですごく気を使って作られて
いるな〜というのはとっても感じました。
そして、暗くてジメッとした雰囲気はフィンチャー監督らしさ
が出ていたと思います。

最終的に誰がゾディアックであったのか?
非常に近いところまで迫っています。
限りなくクロに近いグレーゾーンにいる人物とロバート
の対面もあって、あのシーンは無言なのですが、目でお互いが
すべてをわかっちゃったような感じで......無気味。
で、一瞬ドキドキしちゃうんだけど、なにしろ未解決事件だから
あ〜〜違うのか、と。ここがちょっとつまんないところかな。

ところで、マーク・ラファロとコンビの刑事なんだけど、
この人どっかで見たような気がする、というか誰かに似てる〜
と思って、よくよく見たら「ER」のグリーン先生だったよ!
髪の毛が”あった”のでわからなかった。マジメな刑事を好演
してました。
あと、ロバート・ダウニー・Jr.ですが、あの新聞記者役は
ハマり役だったなー。いつもフラフラしてて、いい加減な雰囲気が。
ジェイクがこの役を演じようと思ったのは、前作のイメージを
破りたかったから......という理由だろうなぁ。
地味なんだけど、こういう役を選ぶジェイクが好きだ!
ブラッド・ダイヤモンド〜Blood Diamond〜
鑑賞してからだいぶたってしまったのだけれど
(確か4月の終わり頃に観たハズ)
かなり忘れかけていたが、とても良い作品だったので
完全に忘れないうちに、書いておく。
***********************************
監督:エドワード・ズウイック
脚本:チャールズ・レビット
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、
   ジェニファー・コネリー
製作国:アメリカ 2006年
上映時間:143分

<ストーリー>
内戦が続くアフリカ。漁師のソロモンは反政府軍に捕まり、ダイヤの採掘場で働かされる。彼が隠した大粒のピンク・ダイヤの噂を聞きつけた密売人アーチャーは、バーで出会った女性記者マディーと共にソロモンに接触する。
***********************************私自身は、あまり宝石には興味ないし
あったらいいな〜きれいだな〜という
程度のものなのでダイヤのことはほとんど知らない。
しかし、あの美しい輝きをもつ石が、様々な人間を介して
消費者の手に渡るまでのあいだに、どれだけの血が
流されているのかを知ったら・・・
あの石は魔物だ!と思わずにはいられない。

この作品は、ある程度期待してはいたけれど、
期待していた以上に良かった。
今さらオスカーのことを言うのは何だが、
この作品は作品賞にノミネートされてもおかしくない
というか”されるべき”?作品だったと思う。
それに、ディカプリオも
「オスカーあげても良かったんじゃ?」
と思うくらいの熱演だった。
南アフリカ訛りの英語も役づくりも
文句なしに素晴らしかったと私は思う。

ジャイモン・フンスーも、実に実直な家族思いの
男を見事に演じてた。
演じてたというか彼が役そのもののように思えた。
父親の子供に対する愛情の深さに涙した。

それはそうと、アフリカの抱えている問題はなんと多いことか!
貧困、飢餓、内戦。
この作品は反政府組織が内戦に使用する銃器、武器購入
の資金源となるダイヤモンドを採掘し
(拉致した民間人に採掘させる)そのダイヤを密売人に売り、
利益を得ている。
反政府組織、密売人、宝石を売る会社の裏取り引きについて
追っているのが、ジェニファー・コネリー扮するジャーナリスト。
アンタッチャブルな部分に踏み入っていく、コネリーの熱意と
フンスーが扮する父親にディカプリオが引っ張られる形で
物語が進行していく。
物語の終盤は悲しいけれど、ラストは痛快。
ぜひ、観るべし。
バベル〜Babel〜
日比谷スカラ座で鑑賞。
劇場前のものすごい人だかりだったので
上映1時間前に来たのに、もうこんなに?と思ったら
それは、お隣の「宝塚歌劇団」の公演を待つ人たちでした。
それにしても、あちらはすごかったなー。
***********************************
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
脚本:ギジェルモ・アリアガ
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベル ナル、役所広司、菊地凛子、アドリアーナ・パラーザ、エル・ファニング
二階堂智
製作国:アメリカ(2006)
上映時間:143分

<ストーリー>
モロッコの山間で、兄弟がいたずらに放った一発の銃弾が
山道を走っていた観光バスに命中。その弾は乗り合わせて
いたアメリカ人夫婦の妻スーザンに当たってしまう。
一方、モロッコに旅行に出た夫婦のふたりの子供の面倒をみていたメキシコ人乳母のアメリアは息子の結婚式に出席するため、子供達を連れてメキシコへと向かう。東京では、聾唖の障害を持つチエコとヤスジロー親子がお互いの心の溝を埋められない日々を送っていた。モロッコで放たれた1発の銃弾が
幾多のドラマを生み、様々な人々を繋いでいくこととなる・・・。
***********************************

この映画を観るまえに「ニューズウィーク」日本版の
映画特集を読んだ。そこには、

『3部作の最終章はひねりなき運命論』
  消えたイニャリトゥ監督のマジック

と題して好意的ではない映画評が展開されていた。
登場人物に深みが欠ける、過剰な演出に悪態をつきたく
なったという厳しいコメントが...。
しかし、最後は
カンヌやトロントの国際映画祭では好評だったし
アカデミー賞作品賞にふさわしいと思う人もいるだろう。

結局、好みは人それぞれなのだ

と結んであった。
これを読んで一抹の不安を覚えた私だったが
それは単なる杞憂で終わった。
前述の記者の映画評をふまえて言うならば、

この映画はとても私好みだった。

上映時間143分という長い上映時間であったが
ストーリーの先が気になり、全く飽きることなく
目はスクリーンに釘付けになっていた。
確かに、この映画は好き嫌いがあるとは思う。
しかし、巷で言われているほど難しい内容ではないと思うし
今までのイニャリトゥ監督作品にある「絶望感」はない。
物語の中には悲しい、どうしようもない最悪なエピソードが
いくつもあるけれど、最後は、ほんの少しだけ希望がある。

この映画のタイトルである「バベル」は
天まで届く塔を建てようとした人間の傲慢に神が怒り
罰として、互いに言葉を通じなくしたというバベルの塔伝説
からつけられたそうだ。
言語が違うもの同士ではもちろんのこと、同じ言語を話すもの
同士であっても、コミュニケーションがうまくいかなければ
お互いの気持ちは通じ合わない。

例えば、モロッコで銃弾を受けたアメリカ人夫婦は
救助を待つ間、通訳ガイドの住む村に一時的に身を寄せる。
彼らはそこに生活するひとたちとは共通言語を持っていない。
しかし、村のひとたちは彼らを受け入れ助けてくれた。
その一方で一緒に旅行していたアメリカ人ツアー客は
夫婦を見捨てて出発してしまった。

アメリカ人夫婦の子供の乳母(アメリア)がメキシコから
アメリカへと戻るためその国境を越えるとき、国境警備の
警官の執拗で非礼な言葉や態度にキレてしまったアメリアの甥。
そこでは、お互いに英語を話し一見すると言葉は完全に通じ合ってて
意志疎通はできているが、そこにはお互いを理解しようとする
意図は見えない。

日本のチエコは聾唖で音のない世界に生きている。
自分の気持ちを伝える術は、表情やしぐさ、手話しかない。
言葉を発することのできないチエコは、一生懸命に自分の
感情や気持ちを伝えようとする。が、なかなかそれは相手に
伝わらない。

コミュニケーション。
いまの自分にとっても、ある意味テーマであったので
この映画を観ていろいろ思うことが多かった。
同じ言語を持つもの同士であれば、言葉で難なく自分の気持ちが
伝えられるか?と言えば、それはそうではない。
それが、友人であったり恋人であったり、自分にとって大切な
存在の人であれば、尚更のこと、

どういう言葉で、自分の気持ちをどう伝えるのか?
それは、本当に自分の気持ちが伝わる言葉なのか?
そして、相手がどう受け止めるのか?

でも、言葉だけが重要ではないのだ。
コミュニケーションとは言葉だけで終結するものではない。
そこには、言葉以外のたくさんのことが介在して成り立っている。
だから、逆に言葉だけに頼ることはかえって危険ですらある。
「言葉で言えばわかる」
「言ってくれれば理解できた」
本当にそうだろうか?
まず、言葉にする前にお互いを取り巻いている環境や空気感
のようなものを「読む」ことが大切だと思う。
そういったものを無視していては「言葉」は到底相手に届かない。
そんなふうに思ったりする。

今さらだが、この作品はオスカーの作品賞を授賞しても
おかしくなかったと思う。監督賞然り。
「バベル」と「ディパーテッド」を比べると、申し訳ないが
私にはスコセッシ監督のあの作品は見劣りがしてしまう。
まぁ、オスカー授賞したからといって良い作品とは限らない
ので、どうでも良いのですけれどね。

最後に、音楽も素晴らしかった。
グスタボ・サンタオラージャのギターはとてもいい。
静かに心に響いてくる。
そして、最後に流れたRyuichi Sakamotoもあの映画を
締めくくるに相応しい美しい旋律でした。

★★★★☆
ホリディ〜The Holiday〜
やっぱり観てしまった。
いや、はなから観るつもりだったけども、
こういう女の子っぽいのを観るのが久しぶり
だったもんで・・・。

***********************************
監督:製作:脚本:ナンシー・メイヤーズ
出演:キャメロン・ディアス、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンストレット
   ジャック・ブラック
製作国:アメリカ/2006年
上映時間:135分

<ストーリー>
ロンドンに住む新聞記者アイリスは失恋、ハリウッドに住むアマンダも恋人に浮気され、休暇に出かけることを決める。インターネットで休暇先を探して見つけたのが、それぞれの家や車ごと交換するホームエクスチェンジだった。
**********************************

面白かったのは、アマンダ(キャメロン・ディアス)が映画の予告を作る
会社社長なので、何かというと映画の予告編風なことをを頭の中に思い浮
かべてしまうこと。
飛行機のファーストクラスに乗ってロンドンに向かうときも、
アマンダ・ウッズ〜って自分の予告ナレーションがかぶってしまう。
アハハ、なんか自分もやってしまいそうだわ。

それにしてもだよ

ジュード・ロウカッコイイよぉ♪

やっぱり、なんだかんだ言って彼はいいっ。
役どころも、ただの独身の遊びまくり野郎かと思っていたらさ〜
実は・・・っていう、ねっ。
おいしい役なんだもんな〜〜〜。
まったく、映画だから何でも作れるよなぁぁ〜〜〜!!
ナンシー・メイヤーよぉ!(ってガラ悪いし)
いや、良かったっすよ。ホントに。
ジュード・ロウにしか演れない役どころ。(だと思う)
あら?まるでジュードが目当てで観たみたいだけど
まぁ、80%くらいはそうだったんだけれどね。
堪能しました〜〜♪

映画の内容について全然書いてなかった。
ロマンティックコメディーです。
安心して観てられるし、面白いし
ハッピーエンドだし、なにも考えないでいいから
リラックスして観れる映画。
でも、欲を言えばジャック・ブラックの出番が少なかったのと
彼の弾けどころがあまりなかったのが、ちょい残念。

しかし、この映画のおかげで今週はなんとか
乗り切れそうです。
あ〜〜〜私もホリディが欲しい。
パフューム〜Perfume :The Story of a Murder〜
それは昨日まで人だったもの・・・。
ってチケットには書いてありました。
えぇぇっ?!ホラー?
ある意味、ホラーに近いかも。

***********************************
監督:脚本:音楽:トム・ティクパ
出演:ベン・ウィショー、レイチェル・ハード=ウッド
   アラン・リックマン、ダスティン・ホフマン
製作:2006年 ドイツ
上映時間:146分

<ストーリー>
18世紀のパリ。魚市場で産み捨てられたグルヌイユは成長し、果物売りの少女の香りに魅了される。誤って彼女を殺してしまった彼は、心惹かれた香りを再現するため香水の調合を学び、やがて街では女性の連続殺人が多発する。
***********************************

冒頭の魚市場のシーンから、匂いがプンプン漂ってきそうでした。
香水とは両極にある、悪臭を連想させる映像が次々とカットで流れ
それ観てるだけで、気持ち悪くなりそうだった。
悪臭だけではないけれど、映像だけで香りや匂いをあんなに想像
させられるとは思ってなかった。
143分と長いけれど、それほどの長さを感じることなく
飽きることなく、楽しめた。

しかし、香水にどんどんのめり込んでいく、グルヌイユを演じた
ベン・ウィショーだけれど、すごく怖かった。
怖いというより、気味が悪いくらいに凄かった。
つまり、グルヌイユそのもののようだったから。
彼は一体ナニモノナノだろう?
それでも僕はやってない
監督:周防正行
出演:加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、役所広司他
製作:2006年 日本
上映時間:143分

★★★★☆

*********************************

満員電車のなかで痴漢と間違えられた主人公が無実を
主張したため、起訴され 裁判にかけられてしまう。
その様子を通して日本の裁判制度を描いた作品。

日本の刑事裁判の有罪率は 99.9% という異常な高さである。
つまり、どういうことかというと、起訴され裁判になった
場合は、いくら無実であったとしても、ほぼ「有罪」となる
ということ。

どうして「有罪」なのか?

という観点にたって裁判は行われている。
「有罪」にする理由を探すのが裁判なのである。
「有罪」にするための証拠さがしが裁判である。(ように思えた)
だから、裁判官の質問もまず「有罪」ありきで行われている。

「疑わしきは罰せず」

という言葉はいったいどこへ行ってしまったのだろう?
無実を主張したところで、無実たる確証がなければ
基本的に「有罪」。
そして、刑事裁判の場合、「無罪」を出すことは
難しいとされる。
それは、何故か?事実を知って愕然とした。

今回の場合は原告(被害者)の主張ばかりが優遇され、
(被害者はいたいけな女子中学生である。消え入りそうな声で
裁判所で話す様子は誰が見ても、同情したくなる)
被告の主張は一切無視される。現場検証と称して再現ビデオ
まで作成したのにも関わらず、結局は何の役にも立たなかった。

判決を言い渡されたあとの主人公の空しい声が最後に響く。

かなり考えさせられる映画でした。
日本の刑事裁判ってこんな感じなのか、と初めて知りました。
今までの映画のなかの裁判のシーンっていうのは、
弁護士と検事の丁々発止なやり取りがあり、お互いの主張について
検証をし、最後は裁判官(または陪審員)に判断を委ねるという
感じであったが、映画の中の裁判はもっと淡々としていた。
裁判官もごく普通に原告や、被告に話し掛けていろんな
ことを聞いていた。
しかし、どう考えても被告には不利な状況で裁判がすすめられており、

裁判のいったいどこが公平なんだ?
裁判って一体なんのためにやってるんだろう?
無実のひとたちに優しいところが、裁判所かと思っていたら
それは、とんでもない思い違いであった。主人公のつぶやきに
私も同調した。

そして、逮捕された当日の刑事の悪魔の囁きが、ずっと耳に
残っていて、もし私だったら?とずっと考えていた。

「私がやりましたーって言っちゃえよ!そしたら、すぐに
帰れるんだよ? 前科一犯くらい、どうってことないって。」

本当にこんなことを言われるのかどうかわからないけれど、
起訴されて、この先の長い裁判を考えたら、たとえ嘘でも、
ついそう言ってしまったが・・・と思ってしまった。
しかし、やってないものをやったと言うのは抵抗があるし
しかも前科がつくなんて。
だけど、何か月もこう留されるのは耐えられないし
嘘でも「やりました」と言ってしまった方が遥かに
ラクだと思う。
もし、自分が、または自分の友達が同じような状況に
陥ったとしたら、果たしてどう言うだろう?
と考えてしまった。

しかし・・・本当にこんな裁判がまかり通っている
日本って国の裁判制度はおかしくないか??
そして、機会があれば一度裁判を傍聴してみたいと思った。
不都合な真実〜An Inconvenient Truth〜
レディースデーの今日。
「マリー・アントワネット」か?「不都合な真実」か?
どちらも観たかったんだけれど、上映時間に間に合ったのが
こっちだったので・・・。おうち近くのシネコンで鑑賞。

***********************************
監督:デイビス・グッケンハイム
出演:アル・ゴア
製作国:アメリカ
上映時間:100分
***********************************

「一瞬だけ大統領だったゴアです」

場内爆笑。

そんな自虐的な発言で笑いをとったりするアル・ゴア。
そう言えば、2000年の大統領選で一度は大統領になっていた。
まんざら、嘘ではない。
しかし、ゴア氏が講演で話すことは、満更でもない嘘ではなく

「不都合な真実」である。

しかも、衝撃的な、目をそらしたくなるような「真実」。
できれば知らずにいたかった、とまで思ったりする。
私は、ここ最近の温暖化のニュースを聞くたびに

「だいじょうぶなんだろうか?」

と、心配しながらも、心のどこかで楽観的に考えていた。
今すぐどうこうなるわけじゃないだろうし、まだ大丈夫でしょ。
勝手にそんな風に考えていた。

が、しかしっ!!

そんな楽観的な考え方では、もう全然ダメだってことが
よくわかりますた・・・。(涙)
もう、末期症状です。

講演の様子は、アニメーションや写真、データを駆使して
非常にわかりやすく、温暖化とはどういうことなのか?
そして、温暖化によってもたらされる影響や現象について
丁寧に説明してくれてます。
また、ところどころにゴア氏のプライベートなストーリーや
方々での講演の様子なども映し出されます。

実は温暖化ってどういうことなのか、わかっているつもりで
あんまりよくわかってなかった私も、この映画でようやく
理解できるようになりました。

温暖化っておそろしいよーー。

アルプスの山の雪がなくなり、両極の氷が溶け出し
ハリケーンは巨大化し、大雨が降り、その一方では干ばつ
が起こり、生態系が変化し、今までなかったような
鳥インフルエンザのような病気が流行り、北極グマが、
氷原を探して100キロも泳いで溺死してしまうなど、
恐ろしいできごとが温暖化の影響によって起きてます。

この映画、地球に住むすべての人に観てもらいたい。
いや、観るべき!
学校で上映したり、テレビで放映したり
とにかく、たくさんの人に観てもらいたい。
本当に、緊急事態ですから。

地球が悲鳴をあげている

宇宙から撮影された、きれいな蒼い地球も
今のまま、人間が自分達のことだけ考えて過ごしていたら
いつか、本当になくなってしまう。
本当です。

だから、温暖化をストップさせるために
まず、自分にできることから。
ディパーテッド〜The Departed〜
今年2本目の鑑賞。
品川プリンスシネマのプレミアシートで鑑賞。
初めて行きましたが、席はゆったり、ひじ掛けにひとりひとつずつ小さな
テーブルのようなものもあり、快適でした。
お金があれば、毎回こっちで観たい。(たまの贅沢で)

***********************************
監督:マーティン・スコセッシ
製作:ブラッド・ピット
脚本:ウィリアム・モナハン
出演:レオナルド・ディカプリオ、マット・デーモン、ジャック・ニコルソン
   マーク・ウォルバーグ、

上映時間:152分

<ストーリー>
幼い頃から可愛がってくれていたマフィアのボスの内通者になるために警察官なったコリン。そのボスのもとに潜入捜査を命じられた警官ビリー。
正体を偽り生きる2人だったが、警察とマフィアの双方でスパイ探しが始まる。
***********************************

「インファナル・アフェア」のハリウッドリメイク版。
「インファナル・アフェア」は観ているので比較しながら・・・と思ったが、香港版がどんなだったか、うろ覚えで・・・いくつかシーンを観て行くうちに、あ、そういえばそうだったーーと思い出しながら観てた。

心配していたのは、152分という長さだったけれど、
その長さはさほど気にならなかった。しかし、やはり長い。
ちなみにインファナル〜は102分。こっちは極端に短い
気もするが、テンポがよくて余計なものがなくていい。

自分の感想だけを述べると、私は、このハリウッド版嫌いじゃないです。
でも、香港版と比べると、やっぱりイマイチと言うしかない。
香港版と比べなければ、こういうモンかと思うのだろうけれど。

やはり、一度観てストーリーを知ってるのと知らないのとでは
印象が違うのだよね。だからかもしれないが、緊張感はインファナル〜
の方が格段に上だった。なんとなく残念。

キャストは、ジャック・ニコルソンのマフィアのボスは
やはり予想通りはまり役でした。
クレイジーで常識が通じない。違った意味の怖さを持った
ボス。そういえば、映画館で余計なものを見せるシーンが
あったけれど、(もちろん作りモンだけど)
あんなの香港版にはない。
なぜ、あんなシーンを入れる必要がある?
全然、理解できない。私も含め、観客はドン引きでした。(と思う)

レオナルド・ディカプリオは、悪くはなかったけれど、
そう良くもなかったような・・・。マフィアに潜入して
精神的にも追い詰められていく様子は鬼気迫る演技だったが......。
マット・デーモンも然り。
悪いわけではないけど、普通かな。

私としては、もっとハラハラ感、ドキドキ感が欲しかった。
ストーリー知ってたから、その辺りが半減しちゃったのか?
と思ったけど、ほぼ筋を忘れていた私。
でも、話が進むにつれて少しずつ思い出して、先がわかって
きちゃったら、ある意味安心して観れてしまった。

重ねて言うが、『インファナル・アフェア』を未見の人は
きっとこの『ディパーテッド』を存分に楽しめただろうと思う。
これだけの長い時間をスクリーンに集中させても、長いと
感じさせない演出は、さすがマーティン・スコセッシ!だと
思うし、俳優の演技ももちろん良かったから惹き付けられた
のだと思う。

でも、やっぱりオリジナルには勝てないな、と思う。
あの最初に観た衝撃が忘れられず、あれをあとからもう一回
観せられても、2回目はさすがに驚かないってことです。

ま、別にオリジナルに勝つ必要はないんですが、
あとは好みが分かれるところ?かしら。

追伸:マット・デーモンとディカプリオの役柄は逆だったら
   どうだったんだろう?そっちの方が面白かったと思いませんか?
ラッキーナンバー7〜Lucky Number Slevin〜
2007年1本目の劇場鑑賞。
公開初日に丸の内プラゼールにて鑑賞。
16:00からの回はほぼ満席でした。

***********************************
監督:ポール・マクギガン
出演:ジョシュ・ハートネット、ブルース・ウィルス、ルーシー・リュー
   モーガン・フリーマン、ベン・キングスレー、スタンリー・トゥッチ

製作国:アメリカ
上映時間:111分

<ストーリー>
失業し、彼女に浮気され、不運続きの青年スレヴンは友人を頼ってニューヨークへ。ところが、その友人と間違えたギャングから借金返済を申し渡される。借金を返せなかったら、彼らと敵対するギャングの息子を殺せと強要されてしまう。

***********************************

これ、感想書くの難しい。
前半は、スレウ゛ン同様に、なにが何だかわけがわからない状態で
人違いされていること証明できる時間も手立てもなく、
殺しに手を染める羽目に陥ってしまうのかーーーと、ドキドキ。

しかし、これ以上はあまり書けないです。
ネタばれになっちゃうから...。

まぁまぁ面白かったです。
同じ監督&ジョシュ主演作品の「ホワイト・ライズ」もこれも似たような
感じでジョシュが翻弄されて最後にすべてが明かされるんですが、
それと比べたらこっちの方が、好きかな?
(ラッキーナンバー7はちと違うけどね、ヒネリ加減が)
最後に一気にたたみかけるように謎が解けていくので後半は面白いです。
豪華なキャストも良かったです。
でも、ガツンッとくる衝撃はあまりなかったように思うのですが。
うぉぉ〜〜!という驚きはなかったかな。
あ、そうだったんだぁ〜という感じ。

私の驚き度
★★★☆☆
硫黄島からの手紙〜Letters From Iwojima〜
公開初日、丸の内ピカデリーにて鑑賞。
冷たい雨の降る寒い日にも関わらず、
毎回満席のようでした。
観客は年齢層高めだったような気がします。
中には二宮くんファン?とおぼしき若い女の子が
携帯カメラでポスターを撮っていましたが・・・。

公開前日、ナショナル・ボード・オブ・レビューの
ベストピクチャーに選ばれたニュースが飛び込んで
来たのもあって、多いに期待をして観に行きましたが、
期待を裏切らない、いい映画でした。

私、この映画が話題になるまで、恥ずかしながら
硫黄島の戦いについてほとんど知りませんでした。
島の存在は知っていたけれど、その島でどんなことが
あったのか全く知りませんでした。

兵力も武器もほとんどなく、味方からの援護も得られずに
あの硫黄島で孤立した状態で戦わなければならなかった
日本人の兵士たちと、それを率いた栗林中将。
そして、彼らが最後の最後まで、国のために、家族の為に
戦い続けたことをはじめて知りました。

栗林(渡辺謙)やバロン西(伊原剛志)のように、
アメリカに渡った経験のあるものと、そうでない古参の
上官や伊藤(中村獅童)を西郷(二宮和也)は冷静な目で
見ている。今までのどんな上官とも違う栗林に、
西郷は影響を受けてゆく。
死こそ名誉とされていた、あのとき栗林は「死ぬな」と命じた。
祖国にいる家族のため、一日でも長くこの島を守るために死ぬなと。

たぶん、あの状況だったら死んだ方が楽だったと思う。
水も食糧も武器もないあの状況で、どうやって戦えと?
それでも、国のために家族のために、本土決戦を一日でも
引き延ばすために最後まで抵抗を続ける姿には涙が出た。

また、栗林の台詞で心に残っているものがある。

「家族のため、国のために死ぬ覚悟でここへ来たのに、
家族の為に死にたくない。生きていたいと思うように
なってきた」

みんな、誰もがそういう思いだったであろうと思う。
その台詞にまた泣いてしまった。

これは、たくさんの人に観て欲しい映画です。
全編日本語なので、ハリウッド映画だってことを
忘れてしまいますが、紛れもなくこれはハリウッド映画で
イーストウッドが作った映画。
監督は、本当によくここまで硫黄島のことを調べあげて
作ってくれたと思います。
渡辺謙も監修スタッフに入っていたようですが、
アメリカ人が撮った日本人とは思えないほど、すごく普通です。
それに、ベタベタした感じがなくて、さらっとしていて
だけど、泣かせてしまう。
うまいなぁと思います。

それから、この映画における渡辺謙の存在感は本当に
大きいと思います。圧倒的に素晴らしい。
また、二宮和也をはじめ、伊原剛志ほか主要キャスト
の演技はとても良かったと思います。

もう1回観に行きたい。

1 2 3

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索