ジャーヘッド 〜Jarhead〜
 この映画では主人公がひとりも殺さない
 かつての戦争映画とは一線を画し
 みたこともない人間ドラマが展開する
 (チラシより抜粋)

***********************************
祖父、父に次いで海兵隊に入隊した青年スオフォード(ジェイク・ジレンホール)は過酷な訓練を経て偵察狙撃隊STAの一員としてサウジアラビアに派遣される。しかし、サウジアラビアに来て当面の任務は油田の警備だった・・・そして長い忍耐の日々が始まる。
***********************************

監督:サム・メンデス
原案:アンソニー・スオフォード
脚本:ウィリアム・プロイルズ・ジュニア
出演:ジェイク・ジレンホール
   ジェイミー・フォックス
   ピーター・サースガード
   クリス・クーパー

上映時間 123分

1991年1月 湾岸戦争勃発。
その湾岸戦争に赴いたアメリカ海兵隊員アンソニー・スオフォードが
自らの戦場での体験を書いた「ジャーヘッド/アメリカ海兵隊員の告白」
が原作。

戦争を思いきり否定するでもなく、もちろん肯定するでもなく、
淡々と物語は進んで行く。スオフォード自身があの戦争で体験したのは、
たしかに”普通”の戦争とは違っていた。
現地に着任してすぐに指揮官(クリス・クーパー)から作戦の話を聞かされ、思いきり煽動されすぐにでも飛び出して行きそうな雰囲気の兵士たち。
しかし、そこから長い長いただ待つだけの日々が始まる。
敵のいない砂丘に向かって手りゅう弾を投げる。想像の地雷原を進む。
殺すか殺されるか?という緊張の連続であれば、それは想像を超えた
ストレスであろうと思う。
しかし、兵士として戦地に赴いたはずが慣れない砂漠で、
毎日することもない。それはそれで違うストレスになるんだってこと。
いったい、何しに来たんだっけ?という拍子抜けな感じである。
大げさで派手な戦闘シーンはないし、目の前で誰かが殺されたり、
逆に彼が殺したりというシーンもない。
しかし、アメリカ軍の爆撃によって黒焦げになった屍体や砂漠の中に転がっている死体を目にした彼は、戦わずとも静かに確実に何かを感じる。
油田に火を放たれてオイルの雨が降る中を歩く彼の脳裏には一体何が駆け巡ったのだろう?

主人公は結局、狙撃手として行ったのにも関わらず、
1発の弾丸を敵に向かって放つことなく、戦争は終わる。
それはそれで、良かったのかもしれない。
でも、じゃあこの数カ月間は一体何のためだったのだろう?
そして、もとを正せばこの戦争って一体何のためなのだろうか?
みんな分かっているけれど、それは言いっこなしみたいなところがあって、
俺たちには政治の話は関係ないって言い切っている。そりゃあそうだ。
そうでなければ、戦争なんてやってられない。 命懸けられない。

結局、戦争って無駄なお金を使ってなーんにも生み出さないってこと。

ラストの主人公のモノローグ

「男は何年も銃を持ち そして戦争に行く 帰国し もう銃は手にしない だが その手で何をしても 女を愛したり 家を建てたり 息子のオムツをかえても その手は銃を覚えている」

すごく心に残るセリフでした。

ところで、出演者について思ったこと。
ジェイミー・フォックスが上官役で出演してますが、
クールでいい味だしてます。自分の仕事に誇りと責任を持って
全うしようとする上官をカッコよく演じてて良かった。
それから、ピーター・サースガードは主人公の相方役ですが、
この人はすごく不思議な雰囲気を持った俳優ですねぇ。
他の作品も観てみないとなんとも言えないですが。
しかし、あんな色気のある兵士いないんじゃ?

ジェイク・ジレンホールは文句なしの熱演でした。
この役はレオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイヤーも
オーディション受けたらしいですが結局ジェイクに決まったらしい。
大正解だと思います。あとのふたりがこの役やるのって、ちょっと
想像がつきません。クリスマスのシーンで、サンタの帽子をかぶって
踊る姿にジェイクの役者根性を見た!偉いっ!
ものすごく練習したらしいが、どんな練習??

*Jarhead・・・高く刈り上げてお湯を入れるジャー(びん)の形を
        している髪型を称して海兵隊員の呼び名となった
        うすのろ、バカ、大酒飲みという軽蔑的意味もある。
        完全志願制の海兵隊員を皮肉ってもいる。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索