ミュンヘン 〜Munich〜
2006年2月19日 新作映画感想 コメント (1)
近くのシネコンで公開日のレイトショーにて鑑賞。
さすがに話題作だけあって、ほぼ満席であった。
2月に入って1本目の鑑賞作品。
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1972年9月5日、ミュンヘン・オリンピック開催中にイスラエル選手団がパレスチナゲリリラの襲撃を受け、11人が死亡した。イスラエルの機密情報機関は報復のために暗殺チームを編成し、メンバーをヨーロッパへ送り込む。
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監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナーほか
出演:エリック・バナ
ジェフリー・ラッシュ
ダニエル・クレイグ
マチュー・カソピッツ ほか
上映時間 164分
私には久々に観るスピルバーグ作品であった。
昨年の「宇宙戦争」はパスしたので、「キャッチミー・イフ・ユー・キャン」
以来観るスピルバーグ作品だった。
まず、この映画が実際に起こった事件をもとに製作されているという
ことだが、私はこのオリンピックのときに起こった事件を恥ずかしながら
知らなかったのである。どこかで耳にしたことはあるのかもしれないが
ほとんど全てのことが初めて聞くことであった。
しかし、知れば知るほどあまりに衝撃的で悲惨な事件である。
実際に起きた事件であるから、当時のニュース映像なども効果的に
映画の中で使われていた。それがさらにリアルな感じを引き出していた。
そして、この事件をきっかけに「報復」が始まる。
まるで映画の世界のようなことが現実に行われていたことに
さらに衝撃を受けた。
しかも、それがいかにも素人っぽい4人が実行していたとは驚きである。
とにかく、血なまぐさいシーンが多いのに彼らの行動が最初はあまりに
素人っぽくて失笑してしまった。
事件に関係した人間をひとりずつ消していくのだが、方法はすべて
爆弾である。証拠を残さないための手段なのだが、爆弾の量が多すぎて
自分達にも被害が及びそうになったり、観ているこちらがハラハラ
してしまう。
やがて、少しずつ「実行」にも慣れて来た頃に、今度は自分達が
狙われていることに気付く。そして、仲間が殺されたことをきっかけに
少しずつ歯車が狂い始める。
追う立場が逆転し、今度は今まで自分達がやってきたことを
自分達が受ける立場になったことを思い知ることになる。
そして全てに疑心暗鬼になって心の休まる間もなくなってしまう。
我々の祖国のためにと信じてやってきたことは何だったのだろうか?
結局、報復は連鎖し、永遠に終わることはない。
ひとり殺せばまたその後がまが出てくる。
すると、またそいつを殺さなくてはならない。
いくらやっても終わることのない、空しくて哀しい行為なのだ。
ラストシーンのうす暗い背景のバックに、今はなき貿易センタービルの
ツインタワーがそびえ立っている。
それは何を象徴するのか、語らずとも明白である。
スピルバーグはこれまでにも「シンドラーのリスト」や
「セイビング・プライベート・ライアン」など戦争映画を撮っているが
この「ミュンヘン」は厳密には戦争映画ではないが、それに匹敵するくらい
の意味がある作品だと思う。
アカデミー作品賞にもノミネートされている本作である。
見応えは十分である。
*「クラッシュ」もそうだが、この作品も多くの人に観てもらいたい
作品のひとつであると思う。
それにしても、今年のアカデミーは良い作品が多くてどんな波乱が
あるのか楽しみである。
さすがに話題作だけあって、ほぼ満席であった。
2月に入って1本目の鑑賞作品。
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1972年9月5日、ミュンヘン・オリンピック開催中にイスラエル選手団がパレスチナゲリリラの襲撃を受け、11人が死亡した。イスラエルの機密情報機関は報復のために暗殺チームを編成し、メンバーをヨーロッパへ送り込む。
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監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:トニー・クシュナーほか
出演:エリック・バナ
ジェフリー・ラッシュ
ダニエル・クレイグ
マチュー・カソピッツ ほか
上映時間 164分
私には久々に観るスピルバーグ作品であった。
昨年の「宇宙戦争」はパスしたので、「キャッチミー・イフ・ユー・キャン」
以来観るスピルバーグ作品だった。
まず、この映画が実際に起こった事件をもとに製作されているという
ことだが、私はこのオリンピックのときに起こった事件を恥ずかしながら
知らなかったのである。どこかで耳にしたことはあるのかもしれないが
ほとんど全てのことが初めて聞くことであった。
しかし、知れば知るほどあまりに衝撃的で悲惨な事件である。
実際に起きた事件であるから、当時のニュース映像なども効果的に
映画の中で使われていた。それがさらにリアルな感じを引き出していた。
そして、この事件をきっかけに「報復」が始まる。
まるで映画の世界のようなことが現実に行われていたことに
さらに衝撃を受けた。
しかも、それがいかにも素人っぽい4人が実行していたとは驚きである。
とにかく、血なまぐさいシーンが多いのに彼らの行動が最初はあまりに
素人っぽくて失笑してしまった。
事件に関係した人間をひとりずつ消していくのだが、方法はすべて
爆弾である。証拠を残さないための手段なのだが、爆弾の量が多すぎて
自分達にも被害が及びそうになったり、観ているこちらがハラハラ
してしまう。
やがて、少しずつ「実行」にも慣れて来た頃に、今度は自分達が
狙われていることに気付く。そして、仲間が殺されたことをきっかけに
少しずつ歯車が狂い始める。
追う立場が逆転し、今度は今まで自分達がやってきたことを
自分達が受ける立場になったことを思い知ることになる。
そして全てに疑心暗鬼になって心の休まる間もなくなってしまう。
我々の祖国のためにと信じてやってきたことは何だったのだろうか?
結局、報復は連鎖し、永遠に終わることはない。
ひとり殺せばまたその後がまが出てくる。
すると、またそいつを殺さなくてはならない。
いくらやっても終わることのない、空しくて哀しい行為なのだ。
ラストシーンのうす暗い背景のバックに、今はなき貿易センタービルの
ツインタワーがそびえ立っている。
それは何を象徴するのか、語らずとも明白である。
スピルバーグはこれまでにも「シンドラーのリスト」や
「セイビング・プライベート・ライアン」など戦争映画を撮っているが
この「ミュンヘン」は厳密には戦争映画ではないが、それに匹敵するくらい
の意味がある作品だと思う。
アカデミー作品賞にもノミネートされている本作である。
見応えは十分である。
*「クラッシュ」もそうだが、この作品も多くの人に観てもらいたい
作品のひとつであると思う。
それにしても、今年のアカデミーは良い作品が多くてどんな波乱が
あるのか楽しみである。
コメント
他の作品として「フライトプラン」公開中!
俺は観てないですけど・・・。